つづりのコラム「京都の街角で見かけるアレって何?」

  • 2021年3月21日
  • 2021年3月21日
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京都の街を散策していると、他では見たこともないようなものや場所を発見することがあります。

街並みの一角にも「京都らしさ」が息づいています。京都散策の際にぜひ目を向けてみてください♪

 
京都の街角で見かけるものの紹介するよ🎵



鍾馗さん


京都散策を楽しむとき、少し目線をあげてみてください。京町屋の屋根瓦の上に怖い顔をした小さな人形がいます。

これは「鍾馗さん(しょうきさん)」いい、家の守り神とされ、屋根の上に祀られています。



鍾馗さんは中国で鬼を退治したという伝説の英雄で、疫病神を祓い、魔を取り除くと信じられてきました。
現在でも家に降りかかる邪気を祓い、守るために取り付けられています。


鍾馗さんといっても三者三様で、顔やポーズも一体一体違います。下の画像の様に祠に入っている鍾馗さんもいます。色々な鍾馗さんを探してみるのも楽しいですね。


町屋の多い祇園に行くと沢山の鍾馗さんが見られます☺




小さな鳥居


京都市内の至る所で見かける手のひらサイズの小さな鳥居。

電柱や住宅の壁、駐車場などにあるミニ鳥居は、比較的低い場所に位置しています。

何かを祀っているのかな?以前この場所に神社があったのかな?と想像されますが、実はこれは「不心得者を牽制するため」のもの。


立小便や犬の糞尿、不法投棄などを牽制するためのに設置されています。

なんとなく罰当たりな感じがして遠慮してしまいますよね!信心深く真面目な日本人の心を動かす、町人の知恵から生まれたものです。





一般的に粽(ちまき)と言えば、笹の葉にくるまれたお餅を思い浮かべると思いますが、京都人にとっての粽は下の写真のもの。


京都では町屋だけではなく普通の住宅の玄関の上に飾られているのをよく見かけます。

粽は笹の葉で作られた疫病・災難除けのお守り。
毎年祇園祭の時に各山鉾で販売され、一年間玄関先に飾るのが京都の風習。

写真の粽は「長刀鉾(なぎなたぼこ)」です。山鉾巡行でも最前列を走る長刀鉾の粽は長蛇の列が出来るほどの人気なんだそう。


祇園祭の時は「粽どうですか~?」という子どもの売り子さんの声が響き渡ります。

2020年は祇園祭が中止になった為、会所やインターネットで販売されました。



花街の提灯


祇園や先斗町などの花街でよく見かける提灯。

京都は五花街(上七軒、祇園東、祇園甲部、先斗町、宮川町)によって提灯の模様が違います。



千鳥の提灯(先斗町)

提灯には飲食店やお茶屋、店舗などの店名が入っています。これは京都人御用達の高島屋のマーク。



五つ団子の提灯(上七軒)

上七軒は白い提灯に赤い団子が一周しているマーク。これは北野天満宮で北野大茶会が開催された際、豊臣秀吉が休憩所とした七軒茶屋で出された御手洗団子を気に入り、褒美として七軒茶屋に御手洗団子を商う事の特権を与えたことで、上七軒では五つ団子の紋章を用いるようになったんだそうです。



つなぎ団子(祇園甲部)

祇園甲部の街が8町内なので、8つの団子が描かれています。


宮川町は三つ巴、祇園東のつなぎ八つ団子など、京都の花街を散策する際には提灯の柄の違いにも注目してみてくださいね。




花街の贈り物・団扇


祇園などの花街の飲食店でよく見かける名前の入った団扇。


京都の花街では夏の挨拶として、芸舞妓さんが自身の名前の入った団扇を贔屓にしている飲食店やお茶屋さんに配る習慣があります。花街のお中元といったところ。


たくさん団扇が飾られるところは、芸舞妓さんが認めるレベルの高いお店なのかもしれません。




路地(ろーじ)


京都を散策していると、写真のような細い行き止まりの細い道を見かけることがあります。

京都では「ろーじ」と呼ばれ親しまれている路地は、京都ならではの風情がありますよね。


もともと京都は平安京の時代「条坊令」といった碁盤の目の状の通りに区画されました。

条坊令は区画が大きすぎて中心部に空き地できます。その空間部分を有効活用するために、便利な生活の道を作ったのが路地の始まり。

ろーじは京都市内の至る所、祇園や木屋町などでもよく見かけます。ろーじの入口に表札があったり、「この先行き止まり」の看板が掲げられていることがあります。

また「図子(または辻子)(ずし)」と呼ばれる先が袋小路ではなく、隣の通りまで行ける細い通りもあります。

最近では若手クリエィターが集まる「あじき路地」や穴場的飲食店が連なる「撞木図子(しゅもくずし)」などもあり、ろーじ散策で京都の日常に触れてみてはいかがですか?



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